セルフヘルプ・グループ「アロー」


☆☆セルフヘルプ・グループ「アロー」 メンバーの声3☆☆

「アロー」Allow

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2014/4/30


 2014年3月、自助グループと医療福祉関係者の交流会にて
 「アロー」を代表して発表したEさんより、その時の内容のまとめを頂きました。
 

○アダルトチルドレン(機能不全家族)とは?

子供が子供らしく育つことが許されなかった家族のことです。
正常な機能をしてない家庭で育ったことにより、成人してもなお内心的なトラウマを持つという考え方、現象、または人のことを指します。

私はこれまでアダルトチルドレンという言葉は聞いたことがなかったです。
ですが数年前にアダルトチルドレンを知りました。
ここで発表することすら全く想像しなかったことです。
なぜアダルトチルドレンになったのか?
純粋で無垢な人間だったからです。
そこからいろんなことを親から植え付けられるのです。
カウンセリングといっても最初は何を話していいかもわからず沈黙が多かったです。
少しずつではありますが今はお話が出来るようになってきました。
新たな一歩を踏み出したところです。
では、どんな環境で何を感じてきたのか?
どんなことを植え付けられてきたのか?
アダルトチルドレンの生き辛さとはなんなのか?
をお話したいと思います。

○幼少期から成人するまでの環境

どこにでもある家庭の、たった一つのお話です。

両親の仕事が不規則で小さい時からじいちゃんばあちゃんに育てられました。
じいちゃんは朝から酒粕を食べ、ばあちゃんに暴力をふるい、夜は酒をしゃあしゃあ飲んでいました。
父親は週に1回帰ってくる状況で、帰ってくるたび「おとなしくしとったか?」と聞かれ
じいちゃんばあちゃんが常に見張り役で生活態度にしろ学校の成績にしろちょっとでも悪かろうなら「なにやっとるんや!」と感情を露わにして怒鳴られました。
母親も不規則なので、いつも寝ていて機嫌も悪い日が多く、接する機会も少なかったです。
怒られることが多かったですが家族は皆、怒る人の味方でとても怖い毎日でした。
母親は極々まれにかばってくれることもありましたが父親が「そんなかばうな!」と暴力を振るい、そういう場面は見たくなくて母親が暴力を振るわれるのも「自分のせいかな」と思ってました。
怒られたくなかったら「家の人の言うことを聞け!泣くな!我慢しろ!」ということです。
私なりに我慢して勉強も頑張りましたし、我慢して運動も頑張りました。家では無理しておとなしくしてましたが怒られる理由がわかりませんでした。
家族の顔色をうかがいながらびくびくし、ちょっとしたことで怒られ、怒鳴られ、言うとおりにしていても、「子は親の言うことを聞いて当たり前や!」と言われ、精一杯頑張っても「もっとやれ!」と言われます。
もう家にいなくても見張られてて、怒鳴られているような気がしてきました。
自分でもどうしていいかわからず、幼いながら「こうなるのは自分が悪いから」と自分を責めてました。
そんな毎日でしたが私にも夢はありました。
「新幹線の運転士」です。
まわりは皆揃って言います「親の言うことも聞かんし、なれるわけないやろ」
今、話したことは親のしつけ、親なりの愛情表現、親の責任から出てきたものと思います。
子供の持っている夢を親に否定されるものほど傷つくことはありません。
涙は出なかったです。感じたのは絶望です。
「お前は、長男であととりやから親の言うことを聞いて大学出て、しっかりとしたところに就職して家族の面倒をみんなんげんぞ」と強く言われてました。
実際、本心ではないですが試しに「警察官になる」とか「医者になる」とか言うとニコニコしてました。
また親戚も好き勝手言います。「あれやれ、これやれ」
いつしか家に帰るのもほんと嫌になり、家に帰るまでは友達の家で時間をつぶしたり、家にいる時間を少なくするがためにわざと塾に行ったり、少年スポーツクラブに行ってました。
塾などに行くと言うとなぜか親は喜びます。本当は家に帰りたくない、という気持ちはわかってもらえませんでした。

○楽しかったこと

唯一、お祭りの日は羽を伸ばせました。
親戚の子と思いっきり遊びました。
ぐらいしかないです(泣)

○成人するまでどんな気持ちですごしてきたか?

長年こういったモヤモヤが払拭できず、うまくいかなかったり前に進むことができず、理由もわからず苦しみ、なんで自分はこうなんだろう?自分はダメだと葛藤の連続でした。(吹っ切れることはない)
毎日が得体のしれない恐怖と不安でいっぱいでした。
いつの間にか気持ちを抑え込み自分を表現できなくなってしまいました。

○成人してから

ほぼ親の言うとおりにしてきましたが満足感や達成感が得られないです。
人間関係はぎくしゃくし、人との距離感がつかめなく、感情に流されてしまい、建設的な考え方もできません。
人が怖いです。怖いというものの人目を気にします。
人目を気にしすぎて自分を大きく見せたがります。
褒められても素直に喜べないし(なにかたくらみがあるのでは?と思う)
他人の悪いところばかり指摘してしまいます(自分の優越感を得るため)
また、家に帰るのが怖く、そこから逃げるため仕事、趣味に没頭しそれなりの成果を上げましたがなぜか虚しさが残ります。
親がレールの上を走らせようとしているので、結婚、子供、働くこと、老後の親の面倒を見ることで親は自己満足しようとしています。親として周りからの評価を得ようとしています。

○今現在は?

家から出るのは怖かったですが、一人暮らしを始めました。

4年前に精神疾患を患ってしまいショックでしたが、自分を見つめ直すキッカケになると思いました。
ですが、現実は薬の副作用などでそんな気持ちの余裕はありませんでした。
しかし、再度見つめ直そうと思う出来事がありました。
それは、会社の20年勤続表彰です。
沢山の電話、メール等頂きまして喜ばしいことと思いますが、心の中では嬉しくなかったです。
今まで何をしてきたんだろうと振り返り、「何も自分のしたいことをしていないし、自分をないがしろにしてきた!」ということに気づきました。

○この先将来は?

精神的にはまだよちよち歩きなのだと思います。

過ぎ去った過去は1ミリも変えられませんが、今からは環境を変えていくことができます。
私は社会というルールの中、心の思うがままに生きていこうと決意しました。
まだまだ生き辛さは感じていますが、良くなっていくものと信じています。
人から見てどうであれ自分の方向性を見つけ、そして間違っていないと思います。
もちろん困難なことに間違いありませんが、私は私の人生を歩んでいきます。

ここにいる皆さん、グループに参加している皆さんにも自分の人生を謳歌していることを願っています。
ありがとうございました。


 以下、発表後のEさんの感想です。

自分がスピーチしてうんぬんよりも、参加したことがとても良かったです。
いろんな自助グループがあって、そこで人それぞれの思いがあって
自分と向き合ったり、良くなりたいという気持ちが伝わりました。
今まで、インターネットなどで、病気の方の発信しているものとか見て、自分だけではないんだと思ってましたが、こうして同じ石川県で自助グループの方の生の声を聞くということは初めてで、活字では伝わらない気持ち(言葉の重みみたいな)を感じることができました。
交流会に参加することによって考えさせられるものがあり、話を聞き、自分の視野が狭かったのか?と感じました。
中でも、AC的な方々のお話は共感できました。
日常でも突っ込んでここまで話をすることないです。自分はおかしいと思ってましたし、恥ずかしかったからです。
ある方が言っていた「正直に行こう」という言葉が残っています。あー、そうだなと思います。でも自分にとっては正直に行くのには勇気がいることです。自助グループに参加している人の言葉には思いが込められているので、信用できるというか、勇気が持てるというか、いけそうな気がしました。
また、この方はどういう気持ちなのか?もっと話を聞いてみたいなーという方もおられました。
スピーチしたことよりも得られる収穫が大きかったです。
今後も「アロー」に参加していこうと思ったし、いろんな交流会などにも行けたら行こうと思いました。
ありがとうございました。

2014年 6月  Eさんより
 

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